毎日が暑い。夏が襲来。でも怪談があれば苦しゅうない。
Abema TVで放送中の宇多丸(ラッパー、ラジオパーソナリティ)が担当する水曜日の「THE NIGHT」で「フリースタイルダンジョン」ならぬ「フリースタイル怪ダンジョン」という企画がスタートした。
それにしてもAbema TVって本当最高だな。部屋にテレビがなくてもテレビ見れるんだもんな。
「フリースタイル怪ダンジョン」とは即興で怪談を創作しながら語るというもので、「これから話すことは、実際に起こった作り話です・・・」という枕で始まるこの怪談。視聴者から創作の怪談の募集を開始したが、昨日の放送で実験的に宇多丸がその場で語りながら考えた怪談を披露した。「実際に起こった作り話」という謎の語義矛盾を孕んでいるにもかかわらず、宇多丸のフリースタイル怪談はなかなか怖かった。
内容をサマライズしてここに記す。
霊感があるというとメイクさんが、宇多丸の顔を鏡越しに見て、尋常ではない様子で「宇多丸さん、あなた、このままだと二日後に死にますよ」と言う。「死にたくなかったら、自分のへその緒をお祓いしてもらってください。そうしないと、本当に大変なことになります」と彼女は続けた。死の宣告を受けた二日後は、奇しくも宇多丸の誕生日であった。そのメイクさんには自分の誕生日がいつであるかは教えていない。誕生日までに人間の誕生の象徴であるへその緒をお祓いしなければならない。これは一体何を意味するのか。気にしないで呑気に構えたまま、ついに誕生日を迎える。日付が変わると同時に宇多丸の元に一本の電話が・・・
こうぇいよ〜!!
以上の内容が宇多丸が即興で思いついたままにストーリーテリングした怪談だ。話し手である宇多丸の表情や抑揚、声色によって相当のエフェクトがかかり、これがなかなか真に迫っていて怖かったのだ。隣で聞いていたサイプレス上野とバニラビーンズのレナも少々ビビっていた様子。さすが頭の回転が早く、言葉を司る職に就いているだけあって話の内容も怪談じみていて面白い。
また、これで怖さを味わえたということは、怪談が実話か創作かということは、怖さを与える上で大して重要ではないということもうかがえる。話されている怪談それ自体に「怖さ」が宿っており、聞いている最中にゾクっとしたものを我々は感じるのである。実話の方が確かに怖いだろうが、最初に「これは作り話です」と聞いていても怖い話は怖いし、リアリティがあるものもある。
最近フリースタイルラップが流行っているが、一部の好事家(主にホラーファン)の間でフリースタイル怪ダンジョンが広まって、今後フリースタイル怪談が流行するのではないか。
路上等で集まって輪を形成してラップしあうサイファーで、ラップに疲れたらそのまま百物語形式でフリースタイル怪談をする若者の姿が見える!
ラップはファミレスなんかじゃできないけど、怪談サイファーは基本場所問わずにできるし、仲間たちとやって涼むのもまた一興だ。創作の怪談であると同時に、即興で考えていくインプロビゼーションの妙を楽しめるのもいい。みなさん、フリースタイル怪談を楽しみましょう!
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