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マルク・シャガール「枝」について

俺は芸術には疎く、特に絵画なんかは全然審美眼もないし、その価値もわからない。でも美術館に行くのは好きで、たまに絵画の書籍なんかも図書館や本屋で見ている。

特に美術館に行った時に楽しいのは、スケッチやデザイン案を見ること。メモ書き程度に作家のアイデアやその時の思考、作品に対する情熱などが直筆で書いてあるのを見るとものすごく目頭が熱くなるというか、プロのアーティストの葛藤を垣間見れたようで、非常にテンションが上がる。たとえそれが知らない芸術家だったとしても。

 

今回はシャガールの「枝」という絵画について考察というか、紹介していく。

https://artmuseum.jpn.org/mu_eda.htmlより

マルク・シャガール 「枝」
製作年:1956年
サイズ:150x120cm
技法 :油彩 キャンバス
所蔵 :三重県立美術館

 

この絵を最初に見たとき、花嫁と花婿が書いてあるってのはわかって、華々しく、幸福感に溢れる絵だとは思うんだが、どこが儚さがある。

 

シャガールの経歴や画風について

マルク・シャガール(1887-1985)は、20世紀を代表する画家の一人です。ロシアのユダヤ人街で生まれ、幼い頃から絵を描き始めました。1907年にパリに移住し、フォーヴィスムキュビスムなどの影響を受けながら、独自の画風を築き上げました。

シャガールの作品は、色彩の豊かさと幻想的な世界観が特徴です。空を飛ぶ人々、浮遊する家、動物と人間の融合など、現実にはありえないような情景を描き、見る者に夢のような感覚を与えます。

シャガールは生涯を通じて、愛や家族、故郷などのテーマを繰り返し描きました。妻ベラへの愛を描いた『抱擁』や、ユダヤ人としてのアイデンティティを表現した『白い世界』などの作品は、世界中の人々に愛されています。

シャガールの代表作としては、以下のようなものが挙げられます。

・『抱擁』(1918年)
・『白馬に乗った花嫁』(1920年
・『街の上の恋人たち』(1916年)
・『白い世界』(1931年)
・『オペラ座の天井画』(1964年)
シャガールは、97歳という長寿を全うし、生涯を通して絵を描き続けました。その作品は、今なお人々に愛され、世界中の美術館に展示されています。

シャガールの何がすごいかというと、以下の点が挙げられます。

 

色彩の魔術師
シャガールは、色彩の使い方に長けた画家として知られています。鮮やかな色彩を組み合わせ、夢のような世界を表現しました。

独創的な画風
シャガールは、現実にはありえないような情景を描き、独創的な画風を確立しました。空を飛ぶ人々、浮遊する家、動物と人間の融合など、見る者を驚かせるような作品を多く残しました。

普遍的なテーマ
シャガールの作品は、愛や家族、故郷などの普遍的なテーマを扱っています。そのため、世界中の人々に愛されています。

シャガールは、20世紀を代表する画家の一人として、その名を世界に知られています。その作品は、今なお人々に愛され、世界中の美術館に展示されています。

 

枝(branch)について

枝も愛についての作品であることは間違いのだが、幸福感あふれる絵ではなく、叙情的な部分を感じるのはおそらく全体を覆う鮮やかだが冷淡な青のせいだろう。素人ながら、初めて見た時、「寒そう」とか思ってしまった。

あと少し違和感を覚えたのが、花嫁のお尻のしたの方から女性の顔がヒューって飛び出しているところ。この女性何?結婚したことにより消滅した花嫁自身のオルターエゴ??とか思ってしまったが、よくよく考えた後の俺の考察は以下の通り。

この枝で描かれている男性は、シャガール本人(多分これは間違っていないだろう)。シャガールは2回結婚しており、一人目の奥さんベラを病気で失っており、ベラとのツーショットを描いた作品も残されている。最愛のベラの没後、再婚し、二人目の妻はバランティーヌ。この「枝」はバランティーヌと結婚している時の作品であるようだ。

この絵の中の花嫁はベラかバランティーヌのどちらなのか、ってことなんだが、俺は2人目の妻、バランティーヌだと思う。そして花嫁のお尻の下から出ていってるのがベラ。バランティーヌと再婚を自ら祝福しつつ、ベラとの訣別を表現しているのではないかと思う。だからどこか悲しげで寂しげな印象を受けてしまうのではないだろうか。

素人の考察なので、悪しからず